『13歳からのきみへ スヌーピーの自分らしく生きることば』
チャールズ・M・シュルツ(著) 谷川 俊太郎(訳) 永井 玲衣(著)
発行:世界文化社
B6変 160ページ
ひとりでがっかりしないで、一緒に考えよう。自分らしく生きるスヌーピーたちの君に寄り添う70のことば
●友達、将来、学校、恋愛、そして自分のこと……
簡単には割りきれず、複雑で、悩みと笑いに満ちた10代を生きる君へ。
そして、かつて10代だった、おとなたちへ。
●ややこしくて、ずっこけていて、それでも自分らしく生きる「ピーナッツ」の仲間たち。彼らの70のことばを、クスッと笑ってしまう原作コミックと谷川俊太郎による訳、そしていま注目の哲学研究者・永井玲衣の研ぎ澄まされた解説に乗せて贈ります。
わたしは13歳のころ、がっかりした子どもだった。「あなたはあなたのままで」とか「目の前の幸せに気づこう」とか言ってくる本が嫌いだった。かれらは「答え」をくれるのではなく「問い」をつぶやく。教えてくれるのではなく、一緒に悩んでくれる。
――永井玲衣(前書きより)
●インクや製本までこだわり抜かれ、クールで愉快な「ピーナッツ」が表現された一冊は、プレゼントにもぴったりです。誠実な文で読者と原作を繋ぐのは、学校や美術館などいろいろなところで様々な人々と「哲学対話」を行っている、いま注目の哲学研究者・永井玲衣。
日頃から「哲学対話」などで10代の生の声に真剣に向き合ってきたからこそ、決して読者を子ども扱いせず、友だちのように寄り添って新しい世界の見方を一緒に考えます。
個性豊かなキャラクターたちが、それぞれの在り方で一緒に生きる「ピーナッツ」の世界。本を開けば、哲学的でユーモアにあふれたことばたちが心を軽くしてくれます。本棚に差しておきたい、お守りのような一冊。
チャールズ・M・シュルツ
1922 年、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス生まれ。通信教育で絵を学び、漫画家を志す。1950年28歳のとき「ピーナッツ」の新聞連載を開始。以来、半世紀にわたり17897のコミックを描き、世界中で2600紙の新聞で掲載。2000年2月12日夜77歳で永眠。それは、最終回の日曜版が配達される前日のことだった。
谷川 俊太郎
1931年、東京都生まれ。詩人。1952年21歳のとき初の詩集『ニ十億光年の孤独』を発表。1960年代後半より「ピーナッツ」の翻訳を手がけ『完全版 ピーナッツ全集』(河出書房新社)で完訳を果たす。日本の読者によく知られた「ピーナッツ」のなかまたちのことばは、その名訳によるもの。好きな登場人物はウッドストック。
永井 玲衣
1991年、東京都生まれ。哲学者。人びとと考えあう場である哲学対話を幅広く行っている。哲学エッセイの連載多数。2021年30歳のとき初の著書『水中の哲学者たち』(晶文社)を発表。2024年第17回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞。好きな登場人物は「安心毛布」の手放せないライナス。