『AM 4:07 vol.1(創刊号)』
創刊のことば
「AM 4:07」創刊にあたって
この、「詩」と「エッセイ」そして「書店」をテーマに立ち上げた雑誌のタイトルは、もうすぐ日の出を迎える空を見上げると、夜とも朝とも名付けられない景色が広がっているであろう七月の東京の空のことを想像してつけられました。どちらでもあって、どちらでもない。また、そのものでしかありえないもの。世界にはきっと、名付けられていないものが、名付けられたものの何百倍もあって、そんなことには関心を持たずに存在しているような気がします。
自分らしく生きるということが、何者かになるためではなく、ただその人そのものであればよいと思えたら。
これからの七月堂が目指したいことのひとつ、「自分らしくあれる場所」を自分自身の手で作り守っていくために、全一二回の発行を目標に創刊しました。
詩を書く人と、読む人と、売る人の架け橋になることを願い、ありったけの感謝の気持ちをこめて作っていきます。
手にしてくださる方にとって、思いがけずふと、詩的な世界を楽しんでいただける雑誌になれることを願っています。
2024年3月 七月堂 後藤聖子
<目次>
○詩
・西尾勝彦
まぼろしっぽ
・大崎清夏 始まる日
・佐野 豊 うまれたばかり
○エッセイ
・
(近現代詩紹介)(全12回)
Pippo 夜と朝のあいだに
・マーホローバだより 第1回(全12回)
西尾勝彦
一角獣
・中崎町2番出口で考え中 第1回(全12回)
池上規公子(葉ね文庫)
ゆうべの夢
・ぼく、おつりもらいましたっけ? 第1回(全4回)
城下康明(ひとやすみ書店)
手の平でつぶれた蚊
<テーマ:春、PM6:50>
・朝吹真理子
春の鬼
・岡本啓 おとずれ
・なんだかうまく眠れない。第1回
後藤聖子(七月堂)
自分らしくあれる場所
○選書
<しくじった夜に星空の下で読みたい詩歌本>
・能邨陽子(恵文社一乗寺店)
・馬場幸治(古書ビビビ)
・寺岡圭介(紙片)